2017年5月31日水曜日

想いをはせる、今日この頃。

先日お越しいただいたお客さま。

お元気にされているのか

思いをはせる今日このごろです。



二年ほど前からご来店いただくお客さまです。

身内での不幸が重なり少し痩せられ、うつむきながらお店の扉を開けられました。



そのお客さまは、濃厚で渋みも旨みもガツンと余韻の続く煎茶がずっとお好みでした。

でも今回ばかりはいつものお茶をお出ししても過敏な反応です。



当店のカウンターで試飲をしながら、最近のご自身の出来事をお話ししてくださいました。

想いをはせる間もなく、段取りと手続きやるべきことに追われ

身内とはいえ別住まいと年齢的にも親族の身辺整理をこなしきれず、あっという間の1ヶ月。

本当に辛く悲しく、大変だと思いました。



ご体調とご状況から、いつものお客さまの煎茶とは正反対ですが

急なおもてなしにも、リラックスする時にも

胃に負担が少なく、まろやかで鮮やかで優しい甘みの余韻が続く煎茶をお出ししました。

今の時にはベストではと、お伝えしました。

試飲後、今までの笑顔を垣間見ることができました。



聴くこと、お茶をお出しすることしかできませんでしたが

最後に「ありがとう」と、うつむき加減が少し減ったことがうれしく思いました。



日本茶のつくり手だからこそ出来る

その時その場の1杯から、沢山の笑顔が広がることを心から願います。